ホタテ

ホタテは身の部分だけが食用として利用されるため、加工の過程で大量の貝殻が廃棄物として発生します。日本は世界有数のホタテ生産国であり、特に北海道や東北地域では毎年多くのホタテ貝殻が生まれています。その量は非常に多く、産地周辺では貝殻が山のように積み上がる状況も見られます。
貝殻は自然由来の素材ですが、発生量が膨大なため、放置すると景観の悪化や臭いの問題、アルカリ成分の流出など環境への影響が懸念されます。また、処理や運搬にはコストがかかるため、水産業者や自治体にとっても大きな負担となっています。
こうした背景から、近年ではホタテ貝殻を新たな資源として活用する取り組みが進み始めています。建材や紙、雑貨素材など、さまざまな分野でアップサイクルの可能性が広がっています。

なぜ余っていたのか
どんな課題があったのか

ホタテは身の部分のみが食用として利用されるため、加工の過程で大量の貝殻が副産物として発生します。ホタテの重量の半分以上が貝殻とも言われており、生産量の多い地域では処理しきれない量の貝殻が生まれてきました。再利用の用途が限られていたことや、運搬コストが高いことから、多くの貝殻が産地周辺に堆積したままになっていたのが現状です。
こうした貝殻は、放置すると景観の悪化や臭いの発生、環境への影響が懸念されるほか、保管や処理、運搬にかかる費用が水産業者や自治体の負担となるなどの課題がありました。そのため、廃棄物として扱われてきたホタテ貝殻を、資源として有効活用する仕組みづくりが求められています。

どんな風に活用できるのか

ホタテ貝殻は主成分が炭酸カルシウムであるため、さまざまな分野で資源として活用することができます。粉砕して建材や道路資材、紙の原料に混ぜるほか、肥料や土壌改良材、消臭材として利用する取り組みも進んでいます。
また近年では、プラスチックや紙に混ぜた環境配慮型素材としての活用や、雑貨や文具などのアップサイクル製品に活かす動きも広がっています。これまで廃棄物として扱われていたホタテ貝殻を、新しい価値を持つ素材として循環させる取り組みが注目されています。


アップサイクル事例

  • ホタテ印の歯ブラシ
    毎日のケアを、やさしい選択に。青森の海で育ったホタテ。
    その貝殻は、年間5万トン以上が廃棄されています。そのホタテ貝殻を柄に51%配合し、廃棄される資源を暮らしの道具として再生しました。さらに、毛には天然の馬毛を使用し、やさしい磨き心地と自然由来の安心感を両立。

連携先企業

  • 合同会社MintAnd
    青森出身の学生が代表を務める、地域発の素材スタートアップです。現在は歯ブラシの販売と並行して、産官学連携のもと、ホタテ貝殻を活用した生分解性樹脂の研究開発にも取り組んでいます。今後は素材ブランドとしてさまざまなプロダクトへと広げ、地域資源の循環を通じて地方創生につながる事業へ発展させていきます。
問い合わせる